ヤマノナcafe

山に関する書籍紹介と山行記録

富士山噴火。その時、人は。『赫夜(かぐよ)』澤田瞳子

富士山がかつてたびたび噴火し、多くの人を苦しめたのは有名な話。

今よりも情報も物資も少ない時代、大災害に人々はどう対応したのでしょうか?

澤田瞳子さんの著書『赫夜』は、平安時代の富士山噴火と、それに翻弄される人々の苦悩と奮闘を描いた小説です。

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噴火、降り積もる火山灰、火災…

次々と襲う災害から、幸いにも命拾いした人々は、いくつかの集落に集まり、失った生活を取り戻そうとあがきます。

それでも次から次へと振りかかる厄災に、人々は無ずすべもなく慌てふためくばかり。

私もきっと、そんな災害を目にしたら、
「前を向いて新しい生活を!」
とか思えない。

まずは泣きわめき、
怒り、
誰かのせいにして、
小屋の隅でふてくされて、いつまでもうずくまってそう。

気がつけば私は、集落の一員となった気持ちで本を読んでいました。

だからこそ、集落の人たちが、瓦礫に花を植えるように復興していく姿には泣けて泣けて…

 この世は荒れ狂う波間に浮かぶ、小さな木の葉のようなものではないか。
そこに生きる一人一人とて、実は野面の小さな蟻より空しい存在なのだ。

今、私は幸いなことに災害の渦中ではないけど、荒れ狂う波間の小さな木の葉状態であることは間違いない。

「ちゃんとしなきゃ!」

って考えてたけど、しょせん私たちは小さい蟻でしかないんだから、何ができるもんでもない。

今日、職場で何かトラブっても、「私頑張る!」じゃなくて、同僚と一緒に泣きわめいてやろうと思います。

 

右手首骨折4カ月後の単独登山 in 日和田山と物見山

登山道の赤土で滑って転んで骨折し、4ヶ月が経過しました。

まだ痛みは少しあるし、
可動域もいまひとつ。

でも日常生活はつつがなく過ごせているので、
単独登山を開始しました。

わーい(^o^)

木々の匂い、
足元で揺れる草花、
かすかに聞こえるせせらぎの音、
鳥の声…

ああ戻ってきたーーー


なんて思ってる余裕はゼロ。

こここここ怖い!

思い出す、骨折の痛みとやっちまった感。

思わずへっペリ腰になります。
そうなると余計に滑りそうで、さらに恐怖は倍増。

結局、山頂までたどり着けず、
下の東屋でゴールとしました。

たいして歩いていないのに、めっちゃ疲れてます。
主に精神が。

お茶を飲んで、やっと一息。

あー、すすきが生えてる。
クズ、ここもすごいなー。

ここでやっと山の景色に目をやる余裕ができました。

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さあ、歩こう。

下界では、巾着田の曼珠沙華祭りの期間中です。
せっかくだから見て帰ろう。

お尻の埃を叩いて立ち上がります。

そこで気付きました。

登ってきた距離と同じ距離を、今度は下るのか…

山は登ったら下りる。

骨折してる間にそんなことすら忘れていた自分が、一番怖くもあるのでした。

心のモヤモヤ吹きとばせ!青空の金山緑地公園

昨日は、久々の晴れ間。

こんな日は家に籠もってちゃいけない!
と、近隣の金山緑地公園に行ってきました。

秋の虫の音に、ツクツクホウシの声が被ります。
二部合唱団みたい😁

何度も見てる、見飽きたともいっていい景色だけど、青空ってだけで気分晴れやか、別天地のようです。

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最近の気鬱は、日照不足もあったかも。

日光を浴びてると、心の靄も溶けていきます。

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陽射しは夏だけど、草花は秋っぼくなっていました。

ムラサキシキブと👇️

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ガマ👇️

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うちの周りでは、すでに枯れ始めてる彼岸花発見!👇️

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群生してるのもいいけど、雑草の中にあると、一際目を引きます。

この白い花は何だろう?👇️

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近くにピンクの蕾が。
あっ、これってミゾソバか。
こんな可憐な花が咲くんだ〜。👇️

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帰り道、農家さんの無人の野菜直売所で大根のおろ抜きをゲット。

お金を入れる場所に迷っていると、奥の畑から、おじいさんが出てきてくれました。

「私これ、好きなんです」
「おれも」

こんな何気ない会話を交わすだけで、気分はさらに朗らかに。

刻んで炒めて、白ご飯にのせて食ーべよっと。

最近失ってた食欲もわいてきました😋

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食べ物の写真っていつも、美味しそうに撮れない…(泣)

 

やらかしたから三猿と徹夜します。『動物の民俗学』吉田扶希子

ダンナさんの話ばかりをし続ける同僚がいます。

ラブラブなのは結構だけど、これっぽっちも興味ない。

いつもは「見ざる言わざる聞かざる」で流せるんだけど、つい嫌味をポロリ。

やってしまった。

ごめん。


この「ついやってしまった」経験、
きっと誰もが身に覚えがあると思います。

だって、やらかしをなかったことにする、庚申信仰ってのがあるんだから。


庚申信仰ってのは、60日に一度回ってくる「庚申の日」に、みんなで集まって徹夜するイベント。

もともとは中国の思想だそうです。

庚申の日の夜、人の体の中にいる「三尸」という虫が、その人が寝てる間に体から抜け出し、天帝に告げ口しに行くそうです。

「こいつこんな悪いことしてやしたぜ。
死んだら地獄に落としましょうや」

って。

起きてれば、チクられない
だから、当番の人の家に集まり、徹夜する。

そもそも「悪いことをしない」
ではなく、
「バレないようにする」

しかもみんなで集まって。

「いやー今回もやらかしたわ」
「オレもだわ。お互い様だよねー」みたいな。

みんなでやらかし許しあうイベント。
いいじゃない笑


で、ここに「見ざる言わざる聞かざる」の三猿が出てきます。

当番の人の家に、三猿の掛け軸を飾るんですって。

庚申の「申」が、十二支の猿だから…ってことだけど、「見ざる言わざる聞かざる」を遵守しましょうね
ってこともあるのかな?
なんて私は思ってしまいます。

うん…

とりあえず次の庚申の日は徹夜するわ。
なんなら例の、夫婦ラブラブ同僚も誘ってみようかな。
お互い様だよねってことで。

今回読んだのは、吉田扶希子さんの『動物の民俗学』。
ネズミ、牛、タヌキなど、人間と深く関わってきた動物を、宗教や歴史、昔の人々の暮らしをひもといていく本です。

雪見だいふくの皮になりたい

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なにもうまくいかない日。

ってありません?

良かれと思ってやったことが、マイナスに作用していたり、

いつもなら同僚と阿吽の呼吸で働けてるのに、うまく噛み合わなかったり、

普段なら聞き流せるような一言にイラっとして、余計な一言を言ってしまったり。

家庭でも職場でも、こういう、「うまく接続できてない」感じがここ1週間ほど続いています。

ピークだったのが、昨日。

大きなミスや、仲違いはないものの、なんか微妙〜な雰囲気のまま勤務終了。
家族とも微妙〜に噛み合わない。

ため息つきつつ、ご褒美にと買っておいた雪見だいふくを食べることにしました。

封を開けたはいいけど、まだ固い雪見だいふくに、フォークを刺す気力もなくて、しばらく放心してました。

とにかく食べよ食べよ、
とフォークを刺して持ち上げると、

ずるり

柔らかくなりすぎて、中のアイスが崩れ、フォークには皮だけが突き刺さっています。

求肥の皮とアイスを一緒に食べてこその雪見だいふくなのに!

職場からも、
家族からも、
雪見だいふくからも、
孤立してしまったような気分。

求肥をもちゃもちゃ噛みながら考えます。

あれもこれも、原因は全て自分。
声かけのタイミングや言葉のチョイス、
相手の気持ち。

雪見だいふくの食べ頃を見誤ったように、
相手のことを考える気持ちが欠けていた。

半分とけたアイスも優しく包む、求肥のような人間でありたい。

口の中に残ったバニラアイスの甘さは、しばらく消えませんでした。

『山なら言いたいことがある』私にも言いたいことがある

職場の飲み会が苦手です。

どんな高級な酒も料理でも、気を使いながら食べたり飲んだりしても、まったく美味しく感じられません。

誰かに何かを強制されるのが、ほんとうに苦手な私。

例え大好きな山でも、社内イベントで行くのはゴメンだわーーー。

って思うのは私だけではないようで。

 

小説家・石田夏穂さんのエッセイ『いざゆけ、接待登山』を読んで、「あれこれ、私の分身が書いたのかな?」って思うくらい共感しました。

学生時代、卒論を受理してもらうため、研究室の教授たちのと山に行くことになった石田さん。

山でも、普段の研究室そのままのピリピリした雰囲気で、教授の謎タイミングで休憩させられる。

万年助教授が「山は荷物を減らすもんだ。小銭持ってくるなんて(失笑)」
とイジってくる。

やだもう絶対楽しくない。

なのに、他人の体験談だと笑える😂

この万年助教授も、最後はきっちりやらかしてくれます。

 

この「いざゆけ、接待登山」が収録されているのは、『山なら言いたいことがある』という本。

小説家、探検家、俳優など、17人の山好きがそれぞれの「山」を綴ったアンソロジーです。

狩猟の様子や、雄大なエベレストの風景、興味を惹かれるエッセイがたくさんあったのに、なぜこのトホホな接待登山のエッセイが印象に残ったのか。

 

それは、最近、職場の飲み会があったから。


もちろん私は欠席ですが。

後日、参加したC美さんから「さんざんだった」と愚痴を聞かされました。

「A子さんがB夫さんと一次会からイチャイチャしてて、ブリッコがやばかった。見てこの集合写真」

…普通の集合写真にしか見えんけど。

さらに後日、A子さんからも
「C美さんがなんかすごい酔ってて絡んできて…」と聞かされました。

社内の裏で、どんな人間関係が繰り広げられてんだか知らんけど、自分が当事者でないいざこざは、やっぱちょっと面白いのでした。

でも関わりたくはない。

ですので、今後も社内イベントは、キャンセルの方向で考えさせていただいております。

『山上のフェイク』こうして人は道に迷う

あなたは人を探しています。

場所は山。

嵐です。
レインコートに叩きつけられる雨がしみ込んできて、夏なのに体温を奪われていきます。

分岐点に出ました。
選択肢は2つ。

1 細い道で、「下山路、500メートル先で整備作業中」

2 比較的幅が広い道。
立て看板なし。

あなたなら、どちらを選びますか?


これは、『山上のフェイク』という小説の1シーン。

山で遭難事故が発生し、山岳救助隊が向かうと、コテージに死体を発見。
嵐の中、生存者を探して山の中を歩いている場面です。


以前、初めての山を登っていた時、やはり分岐点で間違ったことがあります。

地図とコンパスで確認して、「よし!間違いない!」と自信満々に左に曲がったら間違えてました。

あとあと確認すると、実際に左に曲がらないといけなかったのは、間違った地点よりはるか先でした。

早く着きたい、休みたい、と思っている時って、どうしても一見楽そうな道を選んでしまう気持ちが、めちゃくちゃよく分かる!

山岳救助隊員の気持ちで本を読んでいたのに、このシーンで私は突然、姿の見えない要救助者になった気分になりました。


何度も何度も、近道するつもりで藪に入り込んでしまったり、いつもの道なのに見覚えがなかったり…を繰り返し、
地図読みが(少し)できるようになった今。

あの時の分岐点で、間違っ道に入り込んだからこそ、地図読みができるようになったともいえます。

もう何度も何度も道迷いを繰り返してる私の人生。
いまだに藪の中を歩いてる気がします。
光が見えな〜い。